Geo info 2023

地理情報や実践の情報を共有化していけたらと思います。

030821 Zip grade を活用した考査問題の工夫について

皆さま

 

お世話になっております。

本日は、全国地理教育研究会のオンライン大会です。午前中は文科省・中嶋教科調査官のお話でした。勉強になりました。

午後からは普段からお世話になっている方々の実践発表が中心の具体的な内容です。スポンジになった気持ちで吸収したいと思います。

さて、来週、他の教科担任にも協力していただいて次の考査問題で取り入れたいと思っている「マークシート読み取り式」の問題を事例として公開します。

これは、私のスマホ(連動しているipad minimも)でマークしている内容を全て読みとれるというものです。採点業務の軽減化のためにどこまで出来るか、ちょっと試行したいと思います。

簡単になる反面、もちろん問の設定にかなり工夫しないとならないと思います。きちんとした問の設定ができるかどうか、諸場の剣ですね。

集約結果も再来週には公開したいと思います。

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元データはword形式です。主に私が不在中に代理の先生方が実施したプリントを元に忠実に作成しています。解答用のマークシートは5問まで選択肢を設定できます。

 

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この用紙を問題用紙と共に生徒に配付して、各クラス回収し採点してみる予定です。読み取り精度とかかる時間、読み取った後の数値データ等が定期考査の評価に適するものとなるかを判断します。

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今回はきちんと記入例を作成しました。入院直前に課題として出して回収したときは、マークの仕方が雑だったりクラスと出席番号の記入が出来ない生徒もいたので、今回は見本を作成して解答用紙の裏に印刷しました。

 

030722 夏期休業に向けて

皆さま

 

お久しぶりです。

体調面で大きく予定していた流れが変更となってしまい、いったいどこら辺までご迷惑をおかけしているのかすら、ちょっと分からない状況となってしまいました。

ちょっと昔ですと、アナログな人と人の繋がりで様々なことが成立していたので、こんなになると本当に仕事の流れから切り離されてしまうのですが、今回、貴重な経験として、オンラインでつながれるので意外なほど業務自体は把握する気になれば把握できますし、授業に関しても環境次第(さらに、生徒の意識次第)で色々な可能性があることがみえました。これは、実際に入院してみて隔離されたような状況であっても、何かできることがわかったという点で、大きな収穫だと思いました。

 

新たなアイディアも、小出しで見えてきたのでそれらに対する具体策を夏期休業中に形にして、8月~9月の授業に活用したいと思います。

 

今の勤務地だけで通用する思考や方法だけではなく、論理的でどこに勤めていても通用する実践の基本的枠組みを固めたいです。

 

何か、形になるものが出来ましたら、このブログにもあげていきたいと思います。

よろしくお願いいたします。

お久しぶりです。ご無沙汰しております。

最近、年度初めですので当然勤務校の業務が押してしまい、なかなかやりたいことまでたどり着けず、非常にストレスがかかります。

ちょっと作成してみました。

MANDARAで合計特殊出生率の比較です。

東南アジア=人口増加地域の代表のひとつという「先入観」で捉えていますが、当然のようにセオリー通りの経済発展と生活水準上昇、そして少子高齢化のながれを踏んでいって、以下の表に示されるように、出生率も低下していきます。

人口増加や経済発展、生活水準向上や衛生面の改善、そして地球環境問題~SDGsあたりのキーポイントの「2030年」をどう考えさせるか、地理総合に与えられる命題は大きいと思います。

 

眠い。

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030210 授業後半 配付資料の一例(さっぽろ雪まつり 交通規制)

これも、リアリティを出すために提示しました。

本校から札幌駅までの避難経路を考察させたのですが、会場の東区・栄町周辺~東18丁目付近は地震の被害や雪によって道路の車線が狭まっていることを予想させたかったのです。迂回するにしても、栄町付近は近づくべきではないという「判断」をどれだけの生徒ができるかを試しました。

実際には授業時間も押していたこと、校舎の位置、札幌駅の位置を把握するのに時間がかかった(各自に配布した作業用の地図は「地理院地図」から切り取った画像を印刷したのですが、なんとなくいまいちわかりにくい感じになってしまって、最初から不安だったのが的中してしまった)ので、色々な要素を想定して、複合的に避難しなければならないということを教えきれなかった反省点のうちの一つです。

でも、地震、雪害、そして特殊なイベントが実施されていたという「3つの要素」を具体的に示す材料としては悪くない気がします。

雪まつり関連の資料については、来年度以降の検討課題です。

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さっぽろ雪まつり 2020 交通規制

 

030210 授業後半 災害想定促進の一例

 色々考えましたが、視聴覚教材に固執する必要はなく、あえて配布物で周知するかたちをとってみました。

 雪害は気象庁のホームページ等を参考に。

 地震も同じく。緊急地震速報の画面を加工して、釧路沖のデータだったのを、留萌沖に加工したのに、上書きを忘れたので時間切れで釧路沖のまま使用しました。

 これは、生徒の表情をみていましたが結構災害想定の場面作りに有効な方法だと思いました。「号外」の新聞形式でも面白いかもしれません。

 下線部が特に強調して想定時に考察させたい要素でした。

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030210 後半 生徒思考促進用 チラシ

 

学習指導案z1 前半(5校時)& z2 後半(6校時)

 指導案に関しては、すべて一から構成しています。

 新型コロナ対策で、座席表(配置図)も入れてあります。また機材の位置も示してあるので、今後のビデオカメラ等の配置の参考になるかと思います。

 今回の機材に関して、私はポケットWi-Fi1機、自分のパソコンとipad mini(最後に使用しようとしてモタついたため、今回はipad mini の出番はなし)と、実は、自分のスマホを持っていない生徒が1名いて、その生徒のために私の私物のタブレット(2年前のAndroid)の合計3台をつないでいました。楽天モバイルです。パソコンは2年前に購入したASUSのものでSSD480Gくらい、メモリーは16GB、COREi7、CPUだけではなく、GPUをきちんと積んだものを購入しています。これは、以前からGoogleEarthを授業で使用していて、グラフィック処理に機能をとられることが多かったためです。メモリーは16GBで今でもおかげさまで固まることはないです。パソコンをケチることは出来ないと思います。地理院地図とGoogleEarthを同時に開いて、ベースでPPTを進行させて、さらにGoogleフォームを扱うなんてことになると、さすがに発熱してパソコンのファンが回りっぱなしになります。そのくらいパソコンに負担をかけます。

 国土地理院の清水さんは、前回の来校時もポケットWi-Fi持参してくれます。その手の外部での講演に慣れています。清水さんはsurfaceです。そのほか特に変わった機材は使用していません。彼らはもちろん無料でいろいろやってくれます。もし、10月実施時の資料もご入り用でしたらメールください。生徒にも色々お土産くれました。

 講義をしている側の回線は特に混線したり、マイクが干渉したりはありません。マイクはマイクスタンド使用して1台と、実は私はワイヤレス(ピン)マイクを常に付けていました。たぶん、ハウリングもほとんどなかったと思います。これは事前の機材のセッティング時にビデオカメラ2台の音声を切ったり、細かいところでサポートしてくださった先生方と調整した結果だと思います。モバイルバッテリーはポケットWi-Fiの電源落ちが怖かったので授業時にずっとポケワイにつなぎっぱなしでした。容量は5000程度の軽さ重視です。

 ポインターは実は重要です。使わなくてもいいのですが、生徒に示す時にはやっぱり必要だと思います。私の私物です。色は緑にこだわって購入しました。パワポのリモコンにもなります。結構電池の消耗が早いです。

 内容についてですが、単元のねらいや単元の指導計画は苦労しました。基本は指導要領解説(現行の地理A)からですが、現実的には年間通じて学校外との連携を立てての内容なので当然指導要領通りのフローではありません。従って、具体的に的を絞るのに時間がかかりました。単元のねらいや指導計画は、完全ではなく次第点だと思います。

前半についてですが、前回の確認とねらいの明確化、ということでした。気づいた方がいたかもしれませんが、私が使っていたプレゼンソフトはPPTではなく、Googleスライドでした。最初のプレゼンでスムーズに画面が移行しなかったのは、そのせいではないです。回線の調子がいまいちでクリックの反応が遅く、それで時間を少しロスしました。ねらいの明確化のスライドを飛ばしてしまい、そこをデータ戻すロスは避けたかったのでアドリブで口頭説明にしたところが心残りでした。この時点で予定より5~6分押してしまったと思います。

その後、清水さんに交代しました。パソコンの入れ替えで切りかえて、データを1台のパソコンで敢えて扱いませんでした。これも10月の第1回がそれでうまくいったので、今回もそうしました。

気を付けたいのが、GISの授業ですと、2人講師がいたとして、2人とも地理院地図を扱うとなると、結構操作にもたつく、または処理をミスるリスクが生じるという点です。

これは、やはりそれぞれのパソコンに事前に処理落ちしないように地理院地図なり、GoogleEarthなりを起動しておいて、片方がレクしている間に、空いた方が次のデータを処理しておいた方がスムーズな気がします。

 その後、私がGoogleEarthで「世界的な自然災害」を扱いました。ここで押していた時間を調整しました。本当は5つの要素をEarthで示す予定でしたが、2つに省略して次の清水さんの「日本、北海道の自然災害」に繋げました。

 このように、データ管理が結構シビアな面があるのがGISなので、時間のマネジメントを「生徒に提示するデータに幅を持たせてつなぐ感覚」(これはもう回数こなして自分の身体で覚えるしかない気がします)を大切にした方が良いと思います。伸ばしても短くしても使える資料の幅と、それに準じる説明や地理院地図、GoogleEarthの扱い方の習得ですね。

 このように、前半は意図的に講義の内容を寄せてありました。内容は、ハザードマップ、海外の自然災害、日本の自然災害、3本立てでした。

 海外の事象を扱う場合は、GoogleEarthでいいと思います。ストリートビューなどで世界史的な内容もいけるからです(エルサレム嘆きの壁とか、この話はいずれ別のアップで)。

 国内は、地理院地図を使って地形などの要素や様々な要素を重ねて思考する内容で使えばいいと思います。様々な地理的情報をレイヤーとして重ね合わせることで、情報の処理を行って複合的に考えることが達成されるからです。あまり作成側に偏ると、専門じゃない先生方は嫌になると思います。狙いは技術の習得ではないので、地理院地図なら教材の親切なページも設定されているのでそれを活用すれば何とかなるからです。

 地誌を扱うのか、自然地理を扱うのか、統計処理を扱うのか、文系の思考を身につけさせるのか、理系の統計学的な要素を身につけさせるのか、ゴールによって扱うベースが様々なのがGISだと思います、今のところ。

 

 ということで、すっ飛ばした内容は他にも、例えば「自助」「共助」「公助」などです。これは、ちょっと生徒自体の基礎的学習能力が求められるので、時間配分を考えると実施は難しかったのですが、是非もっと余裕のある学校でここまで踏み込んでほしいです。この3つはネットで調べると分かりますが、きちんとしたBDがあって指導案に記載しています。重要な要素だと思います。

 総合的な自己評価は、アドリブ点が結構加わって、80点に届くかどうか、ですね。

 講義が多かったので生徒の反応も基本的にダルでした、が、事前に特に伝えてなかったのにきちんと自分たちでメモとり始めたのはちょっと嬉しかったです。 

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学習指導案z1

 

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学習指導案z2

 後半のポイントは、自己思考をどう幅を持たせるか。

 自己思考までは、どんな学校でも実施している訳で、それをこの行動規制された状況でどう「広げるのか」がポイントでした。

 また、なぜ、この日を選んだか、これをどう意識させるか、ここは演出力だと最初から判断していました。そこで一気に空気を変えられるか。

 あのGoogleフォームですが、あそこまで行き着くには自粛期間前から私自らオンライン研修に参加していたのが大きいと思います。民間企業や地方公共団体等の研修はほぼ全て事前申込と事後アンケートはこのGoogleフォームだったので、これを使えば簡単に個人の意思表示が可能だということが分かっていたのです。また、入力したデータは勝手に集計されるという決定打があり、それからはほぼ独学で色々試しました。それが一昨年の12月くらいで長期休業中に簡単な課題を作成して生徒に試しにやらせてみたら、普段勉強が苦手な生徒も面白がって入力するようになったのは収穫でした。

 これは、今のグループワークが出来ない状況で他者の意見を知るという大きなツールですし、うまく管理できるなら今回のように授業中にも使えます。また、確認テスト等もペーパーレスで行えます。生徒も24時間取り組めます。この経験は大きいと思います。上級学校ではメール等での課題提出が増えているためです。ミーハーな手法ではなく、こちらの授業改善の大きな手段だと思います。なかなか理解されませんが。

 授業のUDLでもあります。文字を書くことが何らかの障害があって絶対的に苦手でも、内容の理解ができていればこの方法であればきちんと評価されますし、勉強が苦手で嫌いな生徒も息を吹き返すかもしれません。

 雪まつりの件です。

 これは完全に計画していた内容です。確信犯です。

 ニュース速報も、完全に「遊び心」を入れた「演出」です。

 でも、この方が具体的な避難しなければならない、という緊張感や自発的思考のスイッチを入れる効果はあると思います。

 反省点は、生徒に資料を複数与えすぎた点です。地図にルートを書かせてから様々な要素を考察させる流れで考えていましたが、案の定、時間がかかり始めたので途中で地図作業は諦めて、想定される災害や非難する上での問題点の思考に指導を切り替えました。当初のまま地図作業にこだわるより結果はよかったと思っています。

 事前に、指導案にも生徒の思考のサポートを清水さんにお願いしていたので、清水さんも助言を自発的にしてくださいました。

 贅沢をいえば、あと10分あればもっと面白かったと思います。

 でも、この不完全さよりも生徒が一生懸命思考する状況に持っていけたこと、ワークシートの記載も一生懸命な生徒が多かったので、よしとすべきだと思っています。

 

 ワークシートの、学習する前と学習した後の「生徒自らの変化」を振り返りで自己評価させるという手法は、はやりの面もありますが今回は取り入れました。

 札幌市という訳ではありませんが、各自治体でハザードマップ等は必ず作成されており、その問題点も各団体で認識していると思います。今回も「冬に大災害が起きたら」ということは最後の清水さんもおっしゃっておりました。

 所属する自治体にポジティヴな意見が出せるようなまとめ方も重要だと、文科省からも助言いただいていたので、それを最後に体現しました。

 

 長い文章でしたが、何度も細切れで答えるならば、一度に全て記載させていただきました。もちろんご質問やご助言ありがたくいただきます。よろしくお願いいたします。