Geo info 2023

地理情報や実践の情報を共有化していけたらと思います。

学習指導案z1 前半(5校時)& z2 後半(6校時)

 指導案に関しては、すべて一から構成しています。

 新型コロナ対策で、座席表(配置図)も入れてあります。また機材の位置も示してあるので、今後のビデオカメラ等の配置の参考になるかと思います。

 今回の機材に関して、私はポケットWi-Fi1機、自分のパソコンとipad mini(最後に使用しようとしてモタついたため、今回はipad mini の出番はなし)と、実は、自分のスマホを持っていない生徒が1名いて、その生徒のために私の私物のタブレット(2年前のAndroid)の合計3台をつないでいました。楽天モバイルです。パソコンは2年前に購入したASUSのものでSSD480Gくらい、メモリーは16GB、COREi7、CPUだけではなく、GPUをきちんと積んだものを購入しています。これは、以前からGoogleEarthを授業で使用していて、グラフィック処理に機能をとられることが多かったためです。メモリーは16GBで今でもおかげさまで固まることはないです。パソコンをケチることは出来ないと思います。地理院地図とGoogleEarthを同時に開いて、ベースでPPTを進行させて、さらにGoogleフォームを扱うなんてことになると、さすがに発熱してパソコンのファンが回りっぱなしになります。そのくらいパソコンに負担をかけます。

 国土地理院の清水さんは、前回の来校時もポケットWi-Fi持参してくれます。その手の外部での講演に慣れています。清水さんはsurfaceです。そのほか特に変わった機材は使用していません。彼らはもちろん無料でいろいろやってくれます。もし、10月実施時の資料もご入り用でしたらメールください。生徒にも色々お土産くれました。

 講義をしている側の回線は特に混線したり、マイクが干渉したりはありません。マイクはマイクスタンド使用して1台と、実は私はワイヤレス(ピン)マイクを常に付けていました。たぶん、ハウリングもほとんどなかったと思います。これは事前の機材のセッティング時にビデオカメラ2台の音声を切ったり、細かいところでサポートしてくださった先生方と調整した結果だと思います。モバイルバッテリーはポケットWi-Fiの電源落ちが怖かったので授業時にずっとポケワイにつなぎっぱなしでした。容量は5000程度の軽さ重視です。

 ポインターは実は重要です。使わなくてもいいのですが、生徒に示す時にはやっぱり必要だと思います。私の私物です。色は緑にこだわって購入しました。パワポのリモコンにもなります。結構電池の消耗が早いです。

 内容についてですが、単元のねらいや単元の指導計画は苦労しました。基本は指導要領解説(現行の地理A)からですが、現実的には年間通じて学校外との連携を立てての内容なので当然指導要領通りのフローではありません。従って、具体的に的を絞るのに時間がかかりました。単元のねらいや指導計画は、完全ではなく次第点だと思います。

前半についてですが、前回の確認とねらいの明確化、ということでした。気づいた方がいたかもしれませんが、私が使っていたプレゼンソフトはPPTではなく、Googleスライドでした。最初のプレゼンでスムーズに画面が移行しなかったのは、そのせいではないです。回線の調子がいまいちでクリックの反応が遅く、それで時間を少しロスしました。ねらいの明確化のスライドを飛ばしてしまい、そこをデータ戻すロスは避けたかったのでアドリブで口頭説明にしたところが心残りでした。この時点で予定より5~6分押してしまったと思います。

その後、清水さんに交代しました。パソコンの入れ替えで切りかえて、データを1台のパソコンで敢えて扱いませんでした。これも10月の第1回がそれでうまくいったので、今回もそうしました。

気を付けたいのが、GISの授業ですと、2人講師がいたとして、2人とも地理院地図を扱うとなると、結構操作にもたつく、または処理をミスるリスクが生じるという点です。

これは、やはりそれぞれのパソコンに事前に処理落ちしないように地理院地図なり、GoogleEarthなりを起動しておいて、片方がレクしている間に、空いた方が次のデータを処理しておいた方がスムーズな気がします。

 その後、私がGoogleEarthで「世界的な自然災害」を扱いました。ここで押していた時間を調整しました。本当は5つの要素をEarthで示す予定でしたが、2つに省略して次の清水さんの「日本、北海道の自然災害」に繋げました。

 このように、データ管理が結構シビアな面があるのがGISなので、時間のマネジメントを「生徒に提示するデータに幅を持たせてつなぐ感覚」(これはもう回数こなして自分の身体で覚えるしかない気がします)を大切にした方が良いと思います。伸ばしても短くしても使える資料の幅と、それに準じる説明や地理院地図、GoogleEarthの扱い方の習得ですね。

 このように、前半は意図的に講義の内容を寄せてありました。内容は、ハザードマップ、海外の自然災害、日本の自然災害、3本立てでした。

 海外の事象を扱う場合は、GoogleEarthでいいと思います。ストリートビューなどで世界史的な内容もいけるからです(エルサレム嘆きの壁とか、この話はいずれ別のアップで)。

 国内は、地理院地図を使って地形などの要素や様々な要素を重ねて思考する内容で使えばいいと思います。様々な地理的情報をレイヤーとして重ね合わせることで、情報の処理を行って複合的に考えることが達成されるからです。あまり作成側に偏ると、専門じゃない先生方は嫌になると思います。狙いは技術の習得ではないので、地理院地図なら教材の親切なページも設定されているのでそれを活用すれば何とかなるからです。

 地誌を扱うのか、自然地理を扱うのか、統計処理を扱うのか、文系の思考を身につけさせるのか、理系の統計学的な要素を身につけさせるのか、ゴールによって扱うベースが様々なのがGISだと思います、今のところ。

 

 ということで、すっ飛ばした内容は他にも、例えば「自助」「共助」「公助」などです。これは、ちょっと生徒自体の基礎的学習能力が求められるので、時間配分を考えると実施は難しかったのですが、是非もっと余裕のある学校でここまで踏み込んでほしいです。この3つはネットで調べると分かりますが、きちんとしたBDがあって指導案に記載しています。重要な要素だと思います。

 総合的な自己評価は、アドリブ点が結構加わって、80点に届くかどうか、ですね。

 講義が多かったので生徒の反応も基本的にダルでした、が、事前に特に伝えてなかったのにきちんと自分たちでメモとり始めたのはちょっと嬉しかったです。 

f:id:tooru0331:20210211131106p:plain

学習指導案z1

 

f:id:tooru0331:20210211131920p:plain

学習指導案z2

 後半のポイントは、自己思考をどう幅を持たせるか。

 自己思考までは、どんな学校でも実施している訳で、それをこの行動規制された状況でどう「広げるのか」がポイントでした。

 また、なぜ、この日を選んだか、これをどう意識させるか、ここは演出力だと最初から判断していました。そこで一気に空気を変えられるか。

 あのGoogleフォームですが、あそこまで行き着くには自粛期間前から私自らオンライン研修に参加していたのが大きいと思います。民間企業や地方公共団体等の研修はほぼ全て事前申込と事後アンケートはこのGoogleフォームだったので、これを使えば簡単に個人の意思表示が可能だということが分かっていたのです。また、入力したデータは勝手に集計されるという決定打があり、それからはほぼ独学で色々試しました。それが一昨年の12月くらいで長期休業中に簡単な課題を作成して生徒に試しにやらせてみたら、普段勉強が苦手な生徒も面白がって入力するようになったのは収穫でした。

 これは、今のグループワークが出来ない状況で他者の意見を知るという大きなツールですし、うまく管理できるなら今回のように授業中にも使えます。また、確認テスト等もペーパーレスで行えます。生徒も24時間取り組めます。この経験は大きいと思います。上級学校ではメール等での課題提出が増えているためです。ミーハーな手法ではなく、こちらの授業改善の大きな手段だと思います。なかなか理解されませんが。

 授業のUDLでもあります。文字を書くことが何らかの障害があって絶対的に苦手でも、内容の理解ができていればこの方法であればきちんと評価されますし、勉強が苦手で嫌いな生徒も息を吹き返すかもしれません。

 雪まつりの件です。

 これは完全に計画していた内容です。確信犯です。

 ニュース速報も、完全に「遊び心」を入れた「演出」です。

 でも、この方が具体的な避難しなければならない、という緊張感や自発的思考のスイッチを入れる効果はあると思います。

 反省点は、生徒に資料を複数与えすぎた点です。地図にルートを書かせてから様々な要素を考察させる流れで考えていましたが、案の定、時間がかかり始めたので途中で地図作業は諦めて、想定される災害や非難する上での問題点の思考に指導を切り替えました。当初のまま地図作業にこだわるより結果はよかったと思っています。

 事前に、指導案にも生徒の思考のサポートを清水さんにお願いしていたので、清水さんも助言を自発的にしてくださいました。

 贅沢をいえば、あと10分あればもっと面白かったと思います。

 でも、この不完全さよりも生徒が一生懸命思考する状況に持っていけたこと、ワークシートの記載も一生懸命な生徒が多かったので、よしとすべきだと思っています。

 

 ワークシートの、学習する前と学習した後の「生徒自らの変化」を振り返りで自己評価させるという手法は、はやりの面もありますが今回は取り入れました。

 札幌市という訳ではありませんが、各自治体でハザードマップ等は必ず作成されており、その問題点も各団体で認識していると思います。今回も「冬に大災害が起きたら」ということは最後の清水さんもおっしゃっておりました。

 所属する自治体にポジティヴな意見が出せるようなまとめ方も重要だと、文科省からも助言いただいていたので、それを最後に体現しました。

 

 長い文章でしたが、何度も細切れで答えるならば、一度に全て記載させていただきました。もちろんご質問やご助言ありがたくいただきます。よろしくお願いいたします。